2014_08
29
(Fri)22:43
 華あづき  末富
 
 
 アルミ缶に入っている。
 これも、期待がふくらむ一品。 
 末富さんといえば、上生では、とくに、葛焼きがすき。
 どの上生にも上質感があるが、とくに、葛はわかりやすい。
 さて、この水羊羹は・・・
 
 
 
 見た目、表面はややつるん。でも、ぷるん、とはしていない。
 口蓋と舌でつぶすと、ひじょうになめらか。
 濃厚で、さっぱりとした餡、あとあじには、しっかり、澄んだ甘み。
 これは、以前書いた 冷やし羊羹の仲間だが、とてもみずみずしい。
 冷やし羊羹系のあの餡の質感のたのしめる口当たりと、ぷるん系のみずみずしさを兼ね備えている。
 のど越しが、どこかの卵たっぷりの焼きプリンのよう。
 餡は、あのル・プティ・スエトミの漉し餡を彷彿とさせる風味。
 末富さんの上質感もそこはかとなく、楽しめる。
 
 これは、また、食べたくなる。
 が、値段は、結構よかったような(400円台)・・・は、値段だけある、といえばそうだが、普段気軽に食べるには、ちょっと高いかな。
 ま、もっとも、毎日食べるには、個性的すぎるし、案外、飽きが来そうだ。
 たまに食べるから、価値がある水羊羹。
 
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2014_08
29
(Fri)22:29
 水ようかん  和三盆使用  塩芳軒
 

  
 いろいろな意味で、期待がふくらむ水羊羹。
 塩芳軒さんといえば、僕は、上生の羽二重の福梅が大好き。
 また、干し羊羹というのか、ひさごも。
 そして、この水羊羹は和三盆入り、とのこと。
 あるようで、あまりみかけない、和三盆入り水羊羹。
 さて、どんな風味か・・・
 
 
 
 黒文字で切って刺して食べられるかと思ったら、それには、やわらかく、無理だったので、スプーンで。
 つるん、ぷるん、としている。このつるんが、なんというのか、ふっくらしている感じ。
 しゃん、としているといったぷるん、ではなくて。
 みずみずしく、口に含むと、溶けていくような感じ。
 口の中いっぱいに、小豆餡と和三盆の調和のとれた風味があふれてくる。
 個性的で、こくというか、深みのある風味。ただ、澄んだ感じはない。
 一口目の印象はとてもよかったが、1個まるまる食べ終わる頃には、ちょっと、塩入りのくどさが口に残る。
 
 今まで食べてきた水羊羹は、ふたつのタイプに分けることができる。
 ひとつは、すっきり、さわやか、澄んだ風味を信条とするもの。
 もうひとつは、深み、こく、濃厚さなどをもとめているもの。
 これは、後者のタイプ。
 で、どっちが、水羊羹として好きかというと、やっぱり、すっきり、さわやか、澄んだ風味系。
 水羊羹に、深みやこく、濃厚さ、って、必要だろうか?
 まあ、もちろん、好みの問題だけど。
 
 あと、塩入り。
 水羊羹に塩を入れるというのは、普通のようだけど、どうも、塩を入れて、風味に厚みやもったり感がでてるものは、もうひとつ。 澄んだ感じが失われている。
 塩が入っていても、澄んだ感じや、すっきり感を失わないものがいい。
 
 
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2014_08
29
(Fri)22:07
 本生 水羊羹   俵屋吉富
 純生、があれば、本生、がある・・・
 って、やっぱり、ビールみたいだけど・・・
 
 
 
 
 画像は、約三分の一。
 
 ジューシーで、なめらか。
 とてもみずみずしく、餡の味もしっかり、後味も爽やか。
 澄んだ餡の風味。
 ただ・・・なんとなく、個性に欠けるかな。
 なにか、ちょっと、物足りない。
 
 量が多いので、三つに切って一切れを食べたが、ふたつに分けるくらいが、ちょうどいいかも知れない。
 そうすれば、この物足りなさが解消するかも。
 
 ある意味、ジューシーでみずみずしくさわやかな水羊羹、っていうところにピタっとはまってるといえばはまっているが、その分、個性に欠ける、といった感じ。
 
 もう一度、今度は半分を一度に、食べてみようかな。
 
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2014_08
29
(Fri)00:20
 福井県立恐竜博物館の標本がやってくる、というので、もう、一ヶ月以上も前のことになるが、京都水族館に行ってきた。
 今頃・・・ブログにアップ・・・
 福井県立恐竜博物館は、なんでも、世界三大恐竜博物館のひとつなのだとか。
 たしかに、恐竜の化石中心、とか、「恐竜博物館」という名前の博物館は、めずらしいかも。
 6メートルの全身骨格標本も来ているというので、ちょっと、面白そうかな、と。
 
 いきなり・・・
 玄関を入った、受付の横に、ど~んと・・・

 
 
 トリケラトプスの仲間の頭骨のレプリカ。
 でかい。
 ま、画像では、くらべるものがないので、よくわからないけど・・・
 かなりの迫力。
 くちばしから、襟巻きの端まで、3メートルくらいはあった。。。たぶん・・・
 
 
 これは、オオサンショウウオの所にあった。
 ワニのようなやつ。
 
 
 こいつは、ペンギンの所に。
 空を飛べないペンギンみたいなヤツ。
 
 
 これは、有名な、始祖鳥。
 レプリカ。
 思っていたより、小さい。
 板の大きさが、縦50センチくらいかな。
 
 
 いくつかあった魚の化石のひとつ。
 ほかにいくつかあり、そのなかには、鱗とか、印象化石になってたのもあった。
 
 
 翼竜の化石のレプリカ。
 全長、1メートルくらいだったか。
 
 それにしても、すごく、奇妙な姿。
 この小さな身体に、不釣り合いにでかい頭。
 
 
 
 こんな厳つい歯。
 魚を捕って丸呑みしていたんだろうが、この小さな胸骨だと、そんなに大きなものは食べられない。
 この厳つい歯は、むしろ、籠のようにかみ合って魚を捕らえたのでは? と思えてくる。
 
 翼竜の翼は、薬指が伸びたもの。
 親指、人差し指、中指は爪となって残っている。
 小指は・・・いや、べつに、ヤバイ世界から足を洗った、組を抜けた、というわけじゃないだろうが、退化してない。
 
 巨大な翼竜は、翼を広げると10メートルにも達するものがいたというが、ほんと、そんなのが空を飛んでたなんて・・・
 なに考えてるんや?
 
 さて、いよいよ、これが一番見たかった・・・
 全長6メートル、トゥオジャンゴサウルスの全身骨格・・・
 
 
 あれ、これって・・・
 そう、子どもの頃、名前聞いて、なんかねぇと、子どものごころに思った・・・あれ・・・
 そう、ステゴザウルス。
 じつは、トゥオジャンゴサウルス、ステゴサウルス科に分類されてる。
 
 これは、もちろん、レプリカ。
 なんや、レプリカばっかりで、ってがっかり感のある人もいるかも知れないが、そんなひとのために・・・
  
 
 はい、ほんものの、化石。
 大腿骨。
 触ることができた・・・
 感想は・・・ うーん、ただの石・・・
 それも、御影石とか、鞍馬石とか、そんな石と違って、石としてみたら、凡庸。
 ほんとに、ただの石。
 石だから、とても重い。
 この大腿骨で、100キロ以上はあるだろう。
 だから、全身骨格など、レプリカが多くなる。軽くて、組み立てるのも楽で、安全。
 ただの石とは言っても、やはり化石。表面など、もちろん、恐竜の骨の表面を写し取っている。
 
 もうひとつ、アンモナイトだったか、おおきなのがあった。
 庭石に、面白そう。
 どーんと庭に置いてある、何の変哲もない石・・・でもよく見ると、恐竜の頭骨の埋まった化石だとか(笑
 
 
 なんかもんくあるか、って面構え。
 
 

 
 
 トゥオジャンゴサウルスの足元に・・・
 
 これは、小型の肉食恐竜。
 トゥオは、もちろん草食。
 
 このこ型恐竜は、『ジュラパー』で、群れで狩りをしてた、ああいうやつ。
 
 
 これは、フクイサウルス。
 名前の通り、福井で発見された。
 
 それにしても、けったいな姿勢。
 人が、脚を伸ばして、四つん這いになったような。まあ、二足歩行に移行中、だったんだろうね。
 それに、トゥォで言えば、なんとも、華奢な大腿骨。
 しかも、骨盤の横に嵌っている。
 象なんか、骨盤の下に柱のように大腿骨が嵌っている。
 象より重いやつが、こんな大腿骨と骨盤で、陸上を闊歩していたとは、なんか考えづらい。
 犀の大腿骨は、横に嵌っているが、もっとずんぐりとしていて、筋肉がたくさん付くように張り出していたりする。そのお陰で、犀は、あんなにも重いのに、速く走ることができる。
 などなど、そんなことを考え合わせると、素人考えだけど、これら恐竜って、カバのような生活をしていたのでは、と思えてくる。
 でも、まあ、足は、象みたいだが。
 直立した後ろ足を支点にして、陸上では頭と尻尾で弥次郎兵衛のようにバランスをとり、湿地の水中で、二足歩行に近い歩き方をしていたのではないか?
 
 まあね、もし、専門家に聞いてみる機会ができたら、象と犀の骨盤と大腿骨にくらべて、このへんの恐竜ってあまりにも華奢で構造的にももろそうだと、それでほんとに、象並に、犀並に、歩いてたのかと聞いてみたい。
 
 恐竜はここまでで・・・
 もうひとつ、お目にかかりたかったのが、こいつ。
 ちょっと、人様の世間を騒がせてた・・・
 
 
 
 
 
 
 
 何年か絶食してて、ついにお亡くなりになった、あの生き物・・・
 ダイオウグソクムシ。
 まあ・・・ばかでかい、ダンゴムシ?
 しっぽは、蝦みたいだけど。
 それにしても、ネーミングがいい。
 大王具足虫。
 大王は、ただ、でかい、という意味だけではなく、貫禄や威厳といったニュアンスを付け加える。
 具足、とは、昔の鎧の一部。それに、見立てたわけだけど、たしかに、そんな雰囲気。
 こんな名前だから、すごく興味も湧いて、見たくなったけど、つまらん名前だったら、ここまで見たいと思ったかどうか。
 
 昔の学者さんは、いろいろ教養があった、ってことだね。
 最近発見された新種につけられてる和名って、こういう教養を感じられるものがほとんどない。
 なんか即物的で、見たまま、みたいな。
 つまらん。
 理系だからと言って、文系の教養がないと、つまらんことになる。
 死ななくていいのに死んでみたり・・・。
 新種見つけて名前つけても、なんじゃ、この、つまらん名前は・・・みたいな。
 
 物理学やってても、発想の原点は『荘子』だったとか、なんか、ノーベル賞の湯川さんがそんなことをエッセーで書いてたような。
 ま、手先の器用さやコツで、成功したりしなかったりの技術屋の実験屋が幅をきかせて重宝されてる現代では、教養なんて必要ない、ってことか。
 
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2014_08
22
(Fri)23:03
 8/16に、京都へ、菓子を買いに。
 で、大雨で、帰りの電車が遅れたり、取りやめになったり、見合わせになったり・・・て、ひどい目にあった。
 
 それはいいとして・・・
 菓子も買って、大丸をふらついてたら、和装コーナーで目についた・・・
 「SALE」
 念珠。
 数珠って、和装小物なんだ(笑
 
 で、いきなり、奥さんが、「ダンナならこれがいい」と選んだのが、
 
 星月菩提樹(珠)
 せいげつぼだいじゅ
 
 という、「石」の。
 「石」と言っても、どうやら木の実らしい。
 菩提樹の実・・・
 
 その時奥さんが「これがいい」といったのは、一般の略式念珠。
 一応、浄土真宗なので、そういうのがないのかな・・・と探してみたら、なんか、見つかって・・・
 
 で、大丸の仏具を扱っているところにも行ってみて、話を聞いたり、見せてもらったりして、ついに、買ってしまった。
  
 
 
 数珠なんて・・・ほとんど興味なかった。
 興味もないし、あんまり、縁もなかった・・・
 
 浄土真宗のは、こんな感じ。
 房が、ちょっと違っている。
 まあ、これも略式なんだけど。
 
 
 
 主玉 というのは、一番たくさんある珠。これは、星月菩提樹。
 二天玉、いうのは、画像の左右にある珠で、虎目石。
 親玉、というのは、下にある、大きいの。これも、虎目石。
 で、この数珠は、星月菩提珠虎目石仕立て、というらしい。
 
 
 
 主玉の、星月菩提樹、はじめて見るし、なんか、さわり心地もとてもいい。
 こんなふうに、ぽちぽちが。
 ちょっと象牙みたいで、それも虫食いの象牙みたいで、面白い。
 星月、という名前は、この黒いこまかいぽちぽちを星に、ひとつだけあるおおきな穴を月に見立てて、とのこと。
 この写真、だと、星ばかり。
 二枚目の写真の、天玉の上のいくつかに、写ってる^^ 
 
 星月菩提樹、はじめて見るとはいっても、数珠業界では、一般的で、もっともポピュラーな物なのだそうだ。
 うーん・・・でも、見たことなかった。
 数珠と言えば、男性用なら、なんかの木とか、女性用なら、水晶とか珊瑚とか・・・
 ま、興味もないから、男性が持ってるのは全部なんかの木、女性なら、ぱっと見て、透明なら水晶、ピンク色なら珊瑚、とか、その程度にしか見てもいなかったんだろうけど。
 
 菩提樹、とはいっても、釈迦が説法をした菩提樹でもないし、日本で言うところの菩提樹でもない。
 豆科の蔓植物(藤の一種)の種子だとのこと。
 その種子を磨いて、こんなふうにするのだそうだ。
 
  星月菩提樹 について  お念珠ねっと
 
  なんか、えらく気に入って、テレビ見ながら、つまぐったり・・・
 (wikによれば、浄土真宗は、つまぐったりするのは×らしいけど・・・でも、指の腹でさわってると、きもちいい)
 
 いままで、つかってた数珠が、子どもの頃からの、もっさいのだったし・・・(と、そのくらい、ぜんぜん、興味がなかった)
 その反動でか、ほんとに、手放せなくなった^^
 数珠って、いいなぁ~。。。
 
 そういうわけで、ネットで、いろいろ数珠を見たりしてたんだけど、その中で、一番、高価だったのは、なんと、
 1188万円!
 ゼロの数、間違ってないよな、と数えなおしたけど、やっぱり、1188万。
 二天玉はなくて、主玉と親玉。
 さて、その主玉(16ミリ 18珠)と親玉(18ミリ)はなにか。
 
 いわゆる宝石とか、金とか銀とか、そういうものじゃない。
 僕も、ちょっとだけ、もってる^^
 お茶(茶の湯)でも、使うことがある。
 でも、たしかに、これがこれだけあったら、このくらいの値段してもおかしくないかも。。。
  
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2014_08
21
(Thu)23:13
 京の夏 竹水羊羹   二條若狭屋
 四条の大丸で。
 以前から気になっていたが、値段が、一本、300何十円で、ばら売りはなく、三本から。
 美味しければいいけど、ハズレだったら、と思うと、どうしようかな~と。
 でも、まあ、一度食べてみようか、と。
 
 
 
 
 
 左の「♀」のものはキリで、筒の底に穴を開ける。
 
 
 
 青竹の筒に、生の笹の葉(竹は本物だが、笹の葉はフィルムとかだと、なんとなく、興ざめ)。
 笹の葉を結んでいるのも、藁。
 やっぱり、風情があっていい。
 ほんのり、竹の香りも、好ましい。
 
 画像でははっきりしないけど、冷蔵庫から出してしばらくすると、露がついて、そういうところも、竹の筒ならではで、とても涼しげ。
 
 底に穴をふたつほど開けておいて、食べるときに、掌で、やさしくぽんと底をたたくと、つるん、と水羊羹が出てくる。
 
 
 
 そう、つるん、とでてくるのでわかるように、つるん、ぷるん。
 見た目も、みずみずしく、涼しげ。
 口蓋と舌でおしつぶすと、なめらかというよりは、崩れながら、じゅわ~とみずみずしさがあふれてくる。
 なんともジューシー。
 ほんのり、竹の香りもかおる。
 小豆の風味もほどよく、甘みとともに爽やか。
 今年食べた水羊羹のなかでは、いちばん、僕の水羊羹というイメージにしっくり来る。
 このシューシーさが、他の水羊羹には無かった。
 
 ただ、奥さんに指摘されて気づいたが、たしかに、後味に、水飴のややくどい甘みが。
 奥さんは、そこがもうひとつらしい。
 でも、このちょっとくどい甘みが口に残るところが、どこか古風な、なつかしい感じがして、わるくない。
 とにかく、今年食べたなかでは、今のところ、一番のお気に入り。
 
 
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2014_08
18
(Mon)23:02
 8/16に京都へ。
 別に、大文字の送り火に、というわけではなく、単に買い物。
 しかし、えらい目にあった。
 帰り、駅で1時間待ち、列車も運行見合わせなどで、家に帰り着くまでに、計3時間もかかった。
 まあ、今回の大雨、この程度ですんで幸いと言えば幸いだったわけだが。
 ただ、上生は、時間も経ち、ちょっと形が崩れたりしてしまった。
 四条高島屋の地下で購入。
 
 百鬼夜行  葛製   長久堂
 
 
 百鬼夜行、とは、なんとも、おどろおどろしい銘。
 その昔、京都の夏になると、夜な夜な、都大路を、おどろおどろしい妖怪どもが、行列を連ねて練り歩いたとか。
 そのなかには、つくも神といって、できあがってから百年以上も経って経あがり、霊力を得た「物」のお化けも。
 たとえば、からかさ とか、釜、とか、臼とか・・・
 猫も経上がって、禿げ猫・・・ならぬ、化け猫になるわけだが・・・(濁点の位置ひとつで大違い)
 というわけで、うちのいちまも、もう、15年ほど経つとつくも神の仲間入りかも知れないが、それはいいいとして・・・
 
 このお菓子。
 これは、都大路を練り歩く百鬼夜行を、板戸の穴からそっとのぞき見た・・・
 その百鬼夜行の様子を描いた盆提灯・・・
 盆提灯の中には、走馬燈みたいに回転してるのがあったとうる憶えに覚えているけど、なんか、そんなのを連想。
 
 それにしても、おどろおどろしいどころか、ぷるんとして、美味しそうな百鬼夜行。
 葛は、ぷるん、ねっとり、つるん。甘みは強くない。葛の上質感も。
 餡は・・・芋入り。もしかすると、黄身も? と、感じるような、こく。のうこうで、ねっとり。砂糖の甘みはほとんどなく、芋の甘みがほんのり。
 
 葛でこのように白餡などを包んだ菓子、たとえば、代表的なのが、いわゆる水牡丹、だが、今まで食べた中で、全部が芋入りの餡、というのははじめて(一部芋餡のは、たとえば、末富さんの稚児提灯とか)。
 また、この水牡丹系の餡は、砂糖の甘みが結構しっかりしているものが多い気がするが、これは、砂糖の甘みよりも、芋の甘み。
 葛にこういう芋の餡を包んだのは、水牡丹系のお菓子のとしては、かなり、個性的。
 ありきたりの白餡の風味を予想していたので、意外で、新鮮味もあった。
 もちろん、銘も、かなり独創的。
 まあ、だいたい、銘といえば、雅で、風雅で、優美・・・と、そんなものが好まれるが、まったく、そんな銘を排して、この銘。
 
 銘といい、その銘にこの姿といい、風味といい、できれば近いうちにもう一度食べたい。
 無理なら、来年でも。
 
 おばあちゃんのお手伝い  琥珀羹   長久堂
 
 
 もぎたてのトマトと万願寺とうがらし。
 そのトマトとまんがんを、盥に、ざぶん、と。
 野菜を摘み、あらう、そんなおばあちゃんのお手伝い。
 田舎に里帰りして、おばあちゃんの家での、そんな夏の思い出の一場面。
 
 
 
 この琥珀羹の水紋は、かなりありふれた、定番物。
 琥珀羹、外郎、薯蕷などでよく使われ、どんな色を使って、何をうかべて、どんな焼き印を押すかで、さまざまなお菓子ができあがる。
 今回は、トマトとまんがん。
 しかも、このトマトとまんがんのデフォルメの塩梅がとてもよくて、上生の範疇を逸脱していない。
 長久堂さんらしい、長久堂さんならではの、トマトとまんがん。
 
 
 
 見るからに涼しげ。
 気持ちよさそうな、トマトとまんがん。
 
 琥珀は、つるんとしてしなやかでなめらか、やはりあまり甘くない。上質な琥珀。
 トマトとまんがんは、こなし。しっかりとした風味。
 なんとも、食べるのがもったいなく、楽しい。
 
 銘も、長ったらしくてくどいともいえるが、この姿とのとりあわせを思うと、心くすぐられる。
 このお菓子を作ったのも、菓匠などではなく、なんとなく、おばあちゃんところでこんな夏休みを過ごした女の子といった気がしてくる。
 
 白露の光  外郎製   長久堂
 
 
 妖しげな白い花・・・
 この花にこの銘、というのがちょっとピンと来なくて聞いてみたところ、高島屋の上生売り場の店員さんの説明では、「百人一首の歌から、イメージした花。実際には、こういう花はないのですが・・・」とのこと。
 でも、百人一首に、「白露の光」といったイメージの歌はないので、なんだろう、と奥さんといろいろと考えてみた。
 僕は、百人一首ではなくて、新古今になら、そんなうたがあるかも、と思ったものの、具体的には、まったく、思い浮かばない。
 そこで、こんかいは、奥さんの説。
 この説は、ほんとに、納得できたので。
 
 これは、『伊勢物語』の「鬼一口」のエピソードでは?
 むかし男が、想っていた深窓の令嬢を盗み出す。
 雷も鳴り、やっとの事で蔵に逃げ隠れるのだが、その蔵に住んでいた鬼に、一口に、女を喰われてしまう。
 そこで、
   白玉かなんぞと人の問ひしとき  露とこたへて消えなましものを
 と歌を読み、足ずりして、泣き悲しんだ・・・
 実は、逃げてくる途中、芥川の辺で、白露を見つけた女が、あれは真珠ですか、と男に聞いたのだった。
 なんせ、深窓の令嬢なので、丸くてこんなふうにきらきら光る珠といえば、真珠しか知らなかった、というわけ。
  あれは真珠ですか? なんでしょうか?とあなたが私に聞いたときに、露です、と答えて、いっしょに消えてしまいたかった・・・
 
 『伊勢』では、露が光っていたのは草の上なのだが、でも、この鬼一口の妖しげな内容からすると、この歌から、こんな花を思い描いても、それはぞれで面白いわけだし。
 まあ、「百人一首の歌」というのも、「百人一首の歌人の一人」ととれば、店員さんの説明ともつじつまが合うわけだし(在原業平)。 
 
 そして、この、花の優美さと妖しげな雰囲気。
 
 というのが、奥さんの説。
 で、もう一つ、

 この姿自体、なんとなく、夕顔の花にも似ている。
 夕顔、といえば、もちろん、『源氏物語』の「夕顔」。
 そして、夕顔は、六条御息所の生き霊に殺される、儚い女性。
 「白露」というのは、はかないものの比喩として、古典では、定番。
 ただ、まあ、店員さんの説明とは、ちょっとつじつまが合わないけど・・・
 (もちろん、紫式部も百人一首に選ばれているが)。
 
 とにかく、どちらも、百鬼夜行と並んで、夏の怖い話しがテーマなの、と。
 
 まったく、百鬼夜行と並んで夏の怖い話しがテーマ、とは、思ってもみなかった。
 だんなんとしては、『伊勢』説が、ほんとに、ぴったり、しっくりくる。
 怖い話しを背景に、でも、 姿、銘ともに、優美で、妖艶。
 歌と言うよりも、男が盗み出した深窓の令嬢を象徴する、しかも、人となりや見目だけではなく、その運命までを暗示しているような花。
 
 餡は、備中白小豆餡。濃厚だが、澄んだ風味。
 外郎は、しなやかで、米の風味豊か。とても上質な風味。
 どこか、フルーティーで華やかな吟醸酒のようなところも。
 この「鬼一口」のエピソードを背景に味わうと、いっそう、風味が引き立つ。
 というか、このエピソードが風味のなかにもしっとりとけこんでひとつになった上生。
 
 (もっとも、ほんとのところは、長久堂さんに聞いてみないとわからない。けど、『伊勢』説は、とても、僕の嗜好にあう)
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2014_08
13
(Wed)22:28
 羊羹、といえば、たぶん、知らない人はいないほど有名な、虎屋さん。
 もともと京都が本店だったが、維新の遷都で東京へ。
 そして、現在では、たしかに、菓子のスタイルは、京菓子、というにはためらわれる。
 無国籍な東京の菓子、というそんな風情。
 
 また、個人的に、虎屋さんの上生には、痛い思い出が。
 姿は、古典的で、雅で、風格さえあった。
 が、風味が・・・まったく、その姿にそぐわない。
 この姿と風味とのあまりにも激しすぎるギャップに、その後、虎屋さんの菓子はすべてスルー。
 かと思ったら、食べてたんだ、実は、上生。
 でも、初めて食べたときの激しいギャップばかりが記憶に焼きついたままで、新しい方はすっかり忘れていた。
 
    あまりにもギャップが激しすぎた上生  2008/2/16  玉手箱  こなし製  と 蛤形  薯蕷製
    
    悪くなかったにもかかわらず忘れ去られていた上生  2013/6/1  更衣
 
 さて、上生はともかく、本業に近い水羊羹はいかに?
 
 
 小倉  水羊羹   とらや
 
 原材料、画像では見づらいけど、「砂糖 小豆 寒天」のみ。
 なんとも、潔い。
 とともに、自信の表れか?
 
 
 
 一目見て、あんこが密な感じの、色つや。
 食べても、これが水羊羹? と感じるほど、あんこが密。
 濃厚だが、さっぱり、後味も爽やか。
 餡は密に詰まっているが、自然な口溶け。
 舌触りもとてもなめらか。
 入ってる小倉の粒の皮も柔らかく、中もざらつかず、羊羹の生地と一体。
 そこらの安ものの羊羹を羊羹というなら、水羊羹ではなく、羊羹といってもよさそう。
 ただ、羊羹のような粘りはなく、あくまでも、さらっとしている。
 餡は赤系の風味たっぷり(北海道産の小豆は赤みが強いので。それに対して、丹波の小豆は、黒系、と勝手に呼んだりしている)。
 
 やっぱり、本業では譲らない、見事な水羊羹・・・といいたいが・・・
 
 でも、これって、水羊羹?
 
 ところで、水羊羹、の「水」って・・・
 「水っぽい」の「水」?
 「みずみずしい」の「水」?
 何なのかよくわからないが、すくなくとも、この虎屋さんの水羊羹は、そのどちらでもないようだ。
 そして、僕にしてみれば、これは水羊羹というよりも、
 
  冷やし羊羹 Light
 
 って感じ。
 光る方じゃなくて、軽い方・・・
 
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2014_08
12
(Tue)21:26
 謹製  伊織の水羊羹   笹屋伊織
 なんと言っても、毎月20日前後に売り出される、どら焼き でおなじみの笹屋伊織さん。
 どら焼きだけじゃなくて、京都水族館のお土産、「古都の鮎」もなかなか、お気に入りだけど、皮のない水羊羹は、どんな感じかな・・・
 
 
 
 長いので、半分に切って・・・
 
 
 半分で、一人分はありそう。
 容器の底に、突起がふたつ突いていて、プチッと・・・
 要は、某大手お菓子メーカーのプッチンPとおなじ。
 つるんと出て来たのを、ふたつに切り分けた。
 
 ぷるん、つるん、としていて、みずみずしい。
 このみずみずしさは、というか、この水の割合は、なんか、スイカの果肉みたいな感じ。
 甘めだが、くどくない。
 すがすがしい。
 ただ、この、ぷるん、つるん感は・・・もちろん、漉し餡と寒天だけではないから。
 ちょっと、メモするのを忘れたし、容器も捨ててしまったので定かでないけど、葛か何かと、増粘多糖類やゲル化剤のお陰。
 でも、悪くない、この、つるん、ぷるん感。
 それでいて、口溶けは、ほろほろ、餡と寒天の水羊羹っぽい。
 葛や、蕨とも違っていて、リピートありかも。
 値段も、一本で2回分となれば、お得。
 
 
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2014_08
12
(Tue)21:04
 純生 水羊羹    鶴屋吉信
 
 
 
 
 「純生」とは、混じりけがない生、と言う意味でいいのだろうか?
 たしか、昔、ビールにもあったけど・・・
 「天然イオン」同様、意味不明な言葉(イオンって、全部、天然物じゃない?(笑))
 それはさておき・・・
 食べてみれば、わかるってことかな?
 
 口当たりはなめらか、水分は多めで、涼やか。
 そして、後味に柚子の風味の余韻・・・あれ、「純生」なんじゃ?
 舌と口蓋で押しつぶすと、ねっとりとした口溶けは、なんか、まるで、チョコレート(コートドールみたいな)。
 そして、なんか、味もチョコレートっぽい。
 しかも、柚子と言うより、オレンジって感じで。
 口溶けも、そして風味も、オレンジチョコみたいな、「純生」水羊羹・・・。
 
 
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2014_08
11
(Mon)23:01
 おなじみ、亀屋清永さんの、お団(清浄歓喜団) と 餢飳(ぶと)。
 先月、祇園祭の菓匠会にいったときに、各2個ずつ、購入。
 その後、とても蒸し暑かったので、冷蔵庫で保存。
 冷やそうと思って意図的にしたわけではないが、結果的に、冷やしお団、冷やし餢飳ができてしまった、というわけ。
 
 冷やしお団(清浄歓喜団)   亀屋清永
 
 
 画像、冷やしてあることが、まったくわからない・・・
 食べたのは、7/26。
 まさか、冷やして食べることを想定してつくられてるとは思えないけど・・・
 それに、油で揚げてあるものだから、夏の暑い時期には、おもいなぁ・・・なんで買っちゃったかなぁと、実は、後悔していた。
 
 が、 肉桂の風味がきいていて、冷やしても結構美味しい。
 というか、なかなか、いける^^
 もともと、厄除けとかの意味もあるこのお団。
 ひやしたのも、夏の払えに、わるくないかも。
 
 冷やし餢飳   亀屋清永
 
 
 この画像も、冷やし餢飳としては、ほとんど意味がない画像・・・
 お団がよかったので、餢飳もいけるかな、でも、肉桂がはいってないから、どうかな・・・
 
 と、やっぱり、こちらは、重い。
 むしろ、夏の蒸し暑さが強調されてしまう。
 やっぱり、肉桂が分かれ目。
 食べたのは、8/2。

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2014_08
06
(Wed)23:20
 最近、竿ものを食べるのも何なので、個装のお菓子にしようかな、と。
 ならば、いろいろな店のものを食べてみるのも悪くないな、というわけで・・・
 
 で、夏のこういう個装もので、よく食べるのは、
 鶴屋吉信さんの  とか、
 俵屋吉富さんの 黒蜜蕨 とか。
 これらが、お気に入り。
 ということを、一応断ったうえで・・・
 
 水ようかん  老松
 
 こんな箱入り。
 中は、アルミ缶。
 値段は・・・300円台後半だったような。
 
  老松さんといえば、お気に入りは、上生では、薯蕷入りきんとん、そのほか、夏柑糖、橙糖珠、胡桃律など、一見素朴だが、素材の姿・風味をうまく生かして、華やかで、わびた風情(「綺麗侘び」とでも呼ぼうかな?)のあるお菓子。
 そういうわけで、かなり、期待していたが・・・
  
 
 
 見た目は、普通の水羊羹。
 甘さ控えめ。
 小豆の風味、しっかり、濃厚。
 ただ、なんとなく、しるこの汁を飲んだときのような後味。
 なんか、どんよりとしていて、すがすがしさとか、みずみずしさとか、涼しさとか、フレッシュさとか、ぜんぜん感じられない。
 小豆も、どこの小豆? と思わず、言いたくなる感じで・・・
 また、なんか、量産品、といった雰囲気もつきまとう(上記の菓子に比べて)。
 そして、老松さんの、上品さとか、華やかさとか、わびた風情とか、これらもまったく感じられない。
 まったく、「老松」と表示する必要がないような、普通の水羊羹。
 値段も、高め。
 
 あと、食塩が入っているようだが、それで、汁粉の汁を飲んだときのような後味なのだろうか?
 塩を入れると、甘みや小豆の旨みが強調されるが、しかし、澄んだ風味が失われる。
 どんより、というのも、そのせいだろう。
 
 いつもの菓子ばかり食べてないで、冒険してみたが、これは、失敗に終わった。
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2014_08
06
(Wed)22:51
 麦手餅でおなじみの、中村軒さん。
 8/3に京都に行ったとき、期間限定で、大丸で。
 
 紫蘇餅  中村軒
 
 ピントが・・・皿の方に(笑
 
 
 箱に二個入りで、こんなふうに個装されている。
 フィルムをとくと、ふんわり、紫蘇の香り。
 
 紫蘇ごと食べた。
 中は、道明寺で漉し餡。
 ぷりぷり、ぷつぷつ、もっちり、やややわらかめの、みずみずしい道明寺。
 そこに、ほんのり、紫蘇の香りが漂う。
 なかなか、美味しい。
 120円! と思いきや・・・
 一箱(2個)460円、だと、いくらだったっけと奥さんに聞いたら、答えが。
 高くても、180円なら・・・
 うーん、でも、やっぱり、リピートしないか。。。
 
 美味しいは美味しいが、230円となると、ただ美味しいだけでは。
 洛中の上生屋さんがつくれば、繊細さとか、洗練とか、上品さとか、そのほか、美味しいだけじゃなくて、いろいろ、味わいがある。
 しかし、中村軒さんのは、その域には達してない。
 なのに、値段は、、、
 
 かつら垣  葛製  中村軒
 
 これも、1パック2個入り、460円。
 
 
 笹の葉で包まれている。
 
 
 
 ほんのり、笹の香り。
 ぷるん、として美味しい。
 ただ、ちょっと、笹のえぐみも・・・。
 これも、1個200円ぐらいなら、悪くないが。。。
 やっぱり、高い。
 
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2014_08
05
(Tue)20:46
  花氷  琥珀製   長久堂
 
 
 
 
 久々に、上生。
 8/3、四条高島屋の地下で。
 長久堂さんらしい、かわいい、まるでファンシーグッズのような上生。
 
 中の色とりどりの花も、寒天。
 白い寒天は硬め。
 色とりどりは、柔らかめ。
 まったく、素朴で、味は砂糖(グラニュー糖かな?)のみ。
 でも、この素朴さがとてもよかった。
 ほろほろと口の中で崩れて、まるで氷砂糖のような風味で、涼やか。
 
 
 送り火  ういろう製   亀屋良長
 
 
 
 
 おなじく、8/3、四条高島屋の地下で。
 醒ヶ井の亀屋良長さんの外郎というので、興味が湧いて購入してみた。
 外郎は、ややかためで、ぷちっと切れる感じ。
 繊細な口当たりと風味。
 そして、なんとなく、いつものことながら、醒ヶ井の水を感じさせる。
 甘さもほどよかった。
 
 
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2014_08
05
(Tue)20:28
 8月に入ったら、浴衣に、と。
 いつもどおり、竹仙の浴衣。
 
 
 
 帯は、7/27に、義叔母からもらった襟巻き。
 100年くらい前の布でそうだ。
 いちまの帯にしてしまった。
  
 
 

 
 短いので、シンプルに蝶結び。
 ちょっと、シブすぎかな。。。
  
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