2017_07
01
(Sat)21:49

打和多す ・・・

Category: ゆる茶

貫之を賛した、香川景樹の短冊の軸。

先日、別の香川景樹の軸を買って、それはまだ季節違いなので、涼しげなこの軸をかけた。

 

P7012239 (336x448)

 

P3230867 (384x512)

悪筆(?)で、読めなかったのが、まあ、何とか読めるように(笑

 

 打和多す 紀の遠山濃

  那可利世者 明石のうらも

   空し 閑らまし  長門介香川景樹 

 

 うちわたす 紀の遠山の

  なかりせば 明石の浦も

   むなしからまし  長門介香川景樹 

 

明石の浦から紀の国の山(熊野の山?)がほんとうに見えるのかどうか・・・。

地図で俯瞰してみると、ちょっと、淡路島の先に掛かっちゃいそう?

けど、明石・須磨のあたりを明石の浦として和歌山県の方を望むと、もしかすると、海の彼方に熊野のの山々が見えるかも。

実際に見える見えないは置いといて、歌を読んだ景樹賛の頭のなかではそんな景色が見えたに違いないし、この歌を読めた今となると、海の彼方に遠い山並みが打ちわたっている情景が目にうかぶ。

中廻しの雲の模様も、効いてくる。

その海や山にかかる雲のようで。

涼しげな表装も、たしかに歌自体はいつの季節でも良いのかも知れないが、この表装が活きるこの季節、というのはなかなか。

 

もちろん、その情景をただ詠んだだけではなく、「紀の遠山」というのは景樹さんにとっての貫之のこと。

すると、「明石の浦」とはなんだろう? と詮索したくなる。

ぱっとうかんだのは、

 

  みわたせば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ

 

これは『新古今』の定家の歌。紹鷗がお茶の侘びとは、というので、この歌のような、といったとか言わなかったとかいう歌で、ちょっと思いうかんだ。

この「浦」というのが明石かどうかはわからないけど、浦つながりで。

要は、貫之がいなければ、その後の素晴らしい歌も生まれなかった、と景樹さんは言いたいわけ、かな、と。

あるいは、「明石」といえば、なんとなく源氏物語も思いうかぶ。

源氏物語さえ、貫之の歌がなかったら・・・。

とにかく、景樹さんにとって貫之はとても偉大な歌人なわけ。

その貫之を褒めたたえた歌。

 

とはいえ、歌的には、ぼくもなかなか気に入って。

貫之賛の意味を除いても、読まれている情景がとてもいい。

(実は、景樹さんの歌、ちょっといいかな、と・・・。なので、別の短冊の軸も欲しくなったわけで)

 

P7012243 (448x336)

菓子は、御所車(老松)、すり琥珀(亀末)、自家製シフォンケーキ。

とまあ、あんまり歌には関係なく、常の如く。

器がちょっと、それっぽいか(とはいえ、たち吉のふつうの皿で、いつもこの季節に使っている)。

 

P7012249 (512x384)

 


関連記事
スポンサーサイト