2017_09
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(Sat)23:22

いつもの宿が、ちょっと、いつもとはちがった・・・ 2  一泊目 夕餉

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20日、一泊目の夕餉。

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お酒は、宿おすすめの、季節の清酒、ハクレイ酒造・紅葉姫。

塗りのトレーには、食前酒の紅芋酢。

このトレーも時々でてきたことがあったけど、ほとんどは紙のがおおかった。

 

メニュー。

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あれ? と。

調理長さんの名前が・・・。

そう、なんでも、今年の6月に以前の調理長さんは退職されて、新しい調理長に。

京都で修行をした方ということ。

前の料理長は、アドバイスなどをしていると。

メニューの一品一品の書き方も、詳細。

さて、どんな料理が出てくるか・・・。

 

一 先八寸

羽二重胡麻豆腐・水菜他

占地菊花浸し・卯うさぎ

銀杏串さし・名月南瓜

 

と、メニューには。

でてきたのは・・・

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たしかに、以前の調理長さんの盛り方とはまったく違っている。

 

占地菊花浸し 

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まるで上生のよう。

かぼすの皮の器で菊花をかたどってある。

いくら、松の実、菊の花びらなどが添えてある。

なかにはしめじ、水菜。

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水菜など薄味で、いくらの塩味で食べる感じ。

 

名月南瓜とうさぎ

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名月は南瓜のふわふわムース。

うさぎは百合根を、上生のこなしのように。しっとり、ねっとり。

どちらも、南瓜、百合根の風味がしっかりで、ほんのり甘い。

 

銀杏串さし

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銀杏の風味がとてもよく、塩味がふっと一瞬ただよい、消えていく。

 

羽二重胡麻豆腐

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これも、菊花仕立てにしたかぼすの皮の器に。

えぐみなどのまったくない、あっさりとした胡麻の風味。

 

どの品をとっても、とても丁寧に下ごしらえがしてあり、見た目も可愛く、風味は繊細でおだやか、素材の風味がしっかりいかされている。

 

これまでの調理長は、海辺の宿らしく、魚介類の風味をしっかり、かつ、パンチのきいたものだった。

それ風味とは、対照的。

一言で「おいしい」といっても、前料理長とは質のちがう美味しさ。

イメージがからっと変わってしまった感じ。

 

一 椀盛  

  土瓶蒸し 鱧・松茸・三つ葉・他

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やはり、鱧の骨切りひとつとっても、とても繊細。

出汁の風味はおだやか。

一つ一つの素材の風味が、しっかり。

というか、出汁によってそれぞれの素材の風味が際立っている感じ。

際立ちながら調和している。

 

ただ、この土瓶蒸しの出汁をのみながら、前の料理長の出汁の風味も蘇ってきた。

対照的な風味。

渾然一体となった調和。

 

まったく質のちがう美味しさ。

前料理長は、王道、オーソドックス。

 

一 向付

  秋いか・あこう・鮪中トロ・ほか

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ポン酢(右)と醤油で。

醤油の味も、前料理長とは違っている。

やはり、おだやか。

前料理長は、とがった、とでもいうか、濃いめのカチッと来る、いかにも魚介類の風味を引き立てる、パンチのこくのある醤油だった。

ポン酢の方も、まろやか。

 

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まんなか、ピンクの角が鮪の中とろ。

その手前、半透明のペ欄としたのが、新料理長の繊細さを象徴するような、あこうの皮の湯引き、と、

その右、半楕円のようなものは、あこうの肝。

あこうの鱗は皮に埋まっているらしく、とても手間暇をかけた、丁寧な下ごしらえぶりがうかがえる。

ぷりぷりとして、珍味だった。

肝は苦みもなく、やはりほんのり甘く、珍味。

 

添えてあるものもかわった。

かぼすの上、茶色の賽の目は、バクダイを寒天でよせたもの。

バクダイとは伯樹という木の実で、水で戻して、なかのゼリー状の果肉を食べるもので、なんでも莫大にふくらむので、そんな名前がついているとのこと。

初めて食べた。

ほんのり、ナッツのような甘み。

また、そのばくだいのむこう。

黄色の賽の目は、菊の花びらを寒天でよせたもの。

 

薬味のネギも、スプラウトに。

 

盛りつけも、さりげないが、おしゃれ。

あこうは薄造り、ポン酢で。

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あこうはほんのりと上品なあまみ。

 

ここで、おしながきにない一品が。

 

一 ぐじ木の芽焼

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総織部の器に、たっぷりと木の芽をかけた甘鯛。

つけあわせは、花蓮根。酢れんこんに明太をつめてある。

 

甘鯛は、丸めて焼いてある。オーソドックスに、たぶん、一夜干しくらいの感じ。

その甘鯛に、細かく刻んだたっぷりの木の芽。

ふわふわの白身の甘鯛の風味に、細かくきざんだ木の芽のナッツのような風味が芳ばしい。

甘鯛の外側は、ややかりっとして、こうばしい。

甘鯛の焼き物といえば若狭焼きだが、その若狭焼きに木の芽の芳ばしさが加わった感じ。

しかも、丸めてあるので、身はとてもふわふわなところと、ひょうめんのややかりっとしたところと。

甘鯛の美味しさが堪能できた。

しかも、木の芽とのマリアージュで、若狭焼きでは味わえない甘鯛も。

こういう甘鯛もいいなぁ、と。

 

花蓮根も、酸っぱさ、辛みも、とても穏やか。

 

一 焚合

  地魚煮付

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菊の蓋物。

菊がテーマのひとつ、かな?

 

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地魚、とあるが、赤穂の頭。

付け合わせは、ごぼうチップス、茄子、小芋、南瓜、小松菜。

 

野菜の付け合わせの品数がとても多い。

しかも、ひとつひとつが丁寧な下ごしらえで、それぞれの野菜の風味がしっかり、品よく活かされていた。

付け合わせ、というより、これらの野菜の一品一品がメインといっても言いすぎではないくらい。

以前の料理長は魚介類に力点が置かれていて、ぼくからするとかなり野菜不足だった。

ごぼうチップスの芳ばしさとうすあじの煮付けのあこう、不思議なマリアージュ。

でも、こういうのも面白いかな。

もちろん、美味しい。

 

地魚、とあるのは、料理長自身が市場へ買い付けにいった魚のことのよう。

以前は仲買から仕入れているものだけだったが、新しい料理長は小魚など自身で市場へ買いにいっているとのこと。

そのあたりも、繊細な品揃えにつながっているのだろう。

以前では、こういう品は味わえなかったと思う。

 

一 合肴

  ぐじ・松茸しゃぶしゃぶ

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ぐじのしゃぶしゃぶ?

生まれて初めて。

たしかに、だされてみれば、ぐじのしゃぶしゃぶがあっても不思議ではないよね、とは思うものの、まったく、思ってもみなかった料理。

ぐじは好きなのだけど、いままで、こんな風にぐじをたべてみよう、などと考えたこともなかった。

 

松茸、まいたけ、菊菜をいれて。

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ぐじをしゃぶしゃぶ、と・・・

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ぐじにピントが合ってなかった・・・^^;

ポン酢で。

 

いままでのぐじとはひとあじちがう感じ。

敢えていうなら、鮟鱇の上身を薄切りにしたような、そんな食感、かな。

ほろほろと口の中でほどけて、ほんのりと上品なぐじのふうみが口の中に広がる。

 

奥さんはとても気に入ったようだ。

二日のうちで、いちばんよかった、と。

 

一 揚物

  松茸太刀魚八幡巻・他

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これも、ぐじのしゃぶしゃぶ同様、えっ? て感じで。

松茸の八幡巻?

太刀魚の八幡巻ならともかく、松茸を八幡巻きにするか? ふつう、しないよなぁ・・・。

八幡巻といっても、たれなどついていない。

松茸を太刀魚でまいて、揚げてある。天麩羅。

しかも、太刀魚がまいてないところ、松茸の傘のところは、松茸の天麩羅。

何とも大胆な。

そして、繊細。

太刀魚で巻くことで、松茸の歯ごたえ、風味がしっかり。

いわゆる八幡巻のようにたれなどつけず、白身の太刀魚というところも、松茸がいきる。と同時に、太刀魚もほくほくとしていきる。天麩羅にすることで、両方いきる。

 

さすがに、ちょっと、この松茸太刀魚八幡巻には、度肝を抜かれた感じ・・・。

新料理長のスタイルを象徴する一品かな。

 

おいしい、美味しくないとは別の、料理の味わい方、とでもいうか。

とても刺激的で、冒険的で、斬新で、知的な。

はっきり言って、味はおぼえてない、・・・なんて、それは冗談だけど、ほんとに、風味以上に、なんというか、知的な刺激を受け、心躍る品々。

 

一 酢物

  地鯖白酢かけ・小芋他

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酢じめした鯖に白酢。

白酢の上に、とんぶり。

紫は菊の花びら。

小松菜。

柿。

 

白酢は、裏ごしした豆腐と酢。なんとなく、マヨネーズとヨーグルトの間のような。はじめマヨネーズかと思ったが、そうではなかった。

柿などは二杯酢で、とくに柿は美味しかった。柿と二杯酢、こういうのもありか、みたいな。

 

鯖は、まろやかな鯖鮨の感じ。

〆の塩梅がよかった。

 

一 ごはん

  栗ご飯

一 留碗

  赤だし

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赤だしの具も変わっていた。

以前は鯛などだったが、アゲと豆腐。

赤だしの風味も、おだやか。

 

栗ご飯の栗の炊き具合もおいしくて、お腹がいっぱだったけど、どうしても食べたくて、栗ばっかりたべてしまった・・・。

 

一 水物

  巨峰ムースとリンゴ甲州煮 ぜんざい

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右、巨峰のムース。左、巨峰。

奥、キウイ。一番奥、リンゴ甲州煮。

 

ムースのは巨峰の風味が濃厚で、生の巨峰以上に巨峰っぽい。

ムースの方が生の巨峰より美味しかった。

 

リンゴの甲州煮とは、リンゴをワインで煮た物。

これも、キウイとの対照がたのしい。

 

ぜんざい

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前料理長はうわずみだけをつかったような、固形の小豆の量も少ないぜんざいだった。

対照的で、固形の小豆の量がとても多い。

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まるで、亀末さんの「大納言」のよう。

炊き小豆といった感じ。

風味は、それでいて、あっさり。

粒が多いので、皮がやわらかい丹波大納言の良さが堪能できる。

 

前料理長の上澄みのようなぜんざいの風味も忘れがたい。

が、新しい料理長のこのぜんざいもとてもいい。

 

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