2017_10
05
(Thu)22:47

風早中納言の軸と・・・

Category: ゆる茶

風早中納言の桐の木の図。

2017の1月に買って、10月になるのを待っていた。

P9303635 (448x336)

 

下は、買ったとき、1月の画像。

猫柳は、正月の生け花の一部。

P1110932 (512x384)

 

桐の木があり、その根元に庵が結ばれている。

賛があって、「桐の葉も色かはりけり。かならず人の尋ねなけれど」(たぶん)とある。

いろいろと、意味のとれる賛。

 

宗旦に茶を習ったとはいっても、もとがお公家なので、侘びるといっても、むさ苦しいまでにはならないようだ。

奇麗さび、ともちがうが、侘びのなかにどこか風雅さ、優雅さがうかがえる。

 

P1110939 (384x512)

 

P1110940 (384x512)

箱には、古筆家の極めなんかがあったり。

 

とにかく、絵も気に入ったけど、賛も気に入った。

「人がたずねて来なくても、桐の葉の色は変わったよ」と。

「桐の葉」がなにを意味するか、象徴するか、で、いろいろな読みができる賛。

たとえば、「自然」や「四季の移ろい」などともとれるし、あるいは、中納言自身ともとれる。

もっと拡げることもできる。

また、「色が変わった」ということも、いろいろな意味にとれる。

そういうところが、とてもおもしろいなぁ、と。

 

前にも書いたけど、軸の仕立てもよい。

いかにも偉そうな、荘厳な感じではぜんぜんなくて、そのあたりが、宗旦の弟子というところで軸にした人も意識をしたのだろうが、渋くて、品がある。

佗茶とはいっても、宗旦のようにむさ苦しくなく、どこか優美、風雅、そんな中納言の人柄を感じさせる表装だ。

 

さてと。

ただ、軸を鑑賞するために軸を買ったわけではなくて、ゆる茶の時に飾るため。

そこで、道具の取り合わせが、なかなか難しいかなぁ、と。

一番に問題なのは、釜。

今もっている釜では、どうか、と。

なにか特別な釜を、と思って探していたが、ぜんぜん、みつからない。というか、あまりにも、この軸を特別視しすぎてしまい、しっくり来るのが見つからない。

高ければいいってもんじゃないし、古ければいいってもんでもない。名工がつくったものならなんでもいいというわけでもないし、名工でなければならないというわけでもない。

結局、あたらしく買うのはやめて、今ある釜などであわせてみることにした。

 

最初に思いつくのは、菊水の釜。季節的にもいい。

PA043721 (384x512)

 

この釜は、ある意味、特別。

もともと窓が開いていて、漏っていたのをなおした。

また、鳴りも個性的。

 

その他の道具は、画像のとおり。

ただ、薄茶器は、はじめは、菊桐棗。

替え茶器で、竹大吹雪。ただし、ここは、溜薬器の方がいい。

溜薬器の赤は、紅葉。

この吹雪も赤く、紅葉とできるが、侘びすぎる。

この釜だと、庵の中でのお茶、という感じ。

軸にある山中の庵を訪ねて、そこで一服、という感じでたのしめる。

 

ただ、この菊水の釜は連続で使うことが憚られる。

ので、ほかの釜を、ということに。

次に思いついたのが、亀甲地紋棗釜。

 

PA013686 (512x384)

 

この釜は、品位や雰囲気が、軸とも菊桐棗ともよく調和している。

替え茶器は、溜薬器。

茶碗は菊水とおなじく、白菊。

 

こうしてならべてみると、釜が紅葉の山思えてくる。

そもそも、亀甲紋で棗型でたてながなので、これを、蓬莱山と見立ててもおもしろい。つまり、軸の庵は、蓬莱山のある一景というわけだ。

で、それなら鶴を飛ばしてみようと、はじめ棗を、曙棗にしてみた。

PA013681 (336x448)

 

が、どうも、この朱がよくない。なんとも、正月っぽすぎ(笑

また、秋の光にどうも映えない。

ので、菊桐棗に戻した。

すると、蓬莱山というよりは、亀甲紋がなにか紅葉のように見える。

なので、すなおに、紅葉の山にある庵、という感じで、たのしむことに。

菊水だと庵のなかに入った感じだが、亀甲だと、あくまでも外から。紅葉の山があって、その中腹にでもある庵をながめやっている感じで。

(この亀甲が、雪とも、花ともとれるので、山湖図で、雪月花というのも面白いかも、と中納言の軸とは関係ないが、今、ちょっと思いついた)

 

次に試してみたのが、ハケメ。

春には、桜川、とハケメが流れのイメージを喚起する。

PA053739 (384x512)

 

となれば、秋ならば、たとえば、龍田川、とか^^

と思うと、柚子肌が紅葉のように思えてきて、なかなかおもしろい。

 

(あと、これはふと思いついたのだが、このハケメは、ほかにも、たとえば、「滝の音は絶えてひさしくなりぬれどなこそ流れてなほきこへけれ」とか「みかのはら わきてながるる泉川 いつみきとてかこひしかるらむ」とか、『伊勢物語』の「芥川」とか、そんなのをテーマにして道具をとりあわせて、ゆる茶をするのも面白いかな、と)

 

薄茶器は、はじめ、菊桐。

そうすると、まあ、紅葉の川をさかのぼって、庵に着きました。という感じ。あるいは、亀甲とおなじで、紅葉の川の上流にある庵を眺めて、一服。

二服目に、替え茶器の、竹大吹雪に。

すると、この吹雪の侘びがきいて、庵の中で一服、となる。

寒雉の肌の侘びさかげんもちょうどいい感じ。

また、替え茶器を、溜薬器にするのもいいかも。

溜薬器は、次に使う釜への伏線という意味あいもある。

竹大吹雪も、まあ、紅葉ととれなくはないが、溜薬器の色の方がよりそれっぽい。 

 

いろいろ釜が選べる軸。


関連記事
スポンサーサイト