2018_05
02
(Wed)22:56

黒茶碗  佐々木輝男 作

なんか、よさげかな、と。
佐々木輝男、とは、二代佐々木虚室さんのこと。
うちの淡赤や飴釉茶碗の三代虚室さんのお父さん。
ただ、襲名しても「虚室」はつかわず、ずっと「輝男」でとおしたとか。
 
 
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見た目は、何の変哲もない、ちょっと大きめの黒茶碗、といった感じ。
釉が分厚く、蛇蝎っぽくなつていたり、ところどころ釉をこすり取ったところがあったり、多少の変化はあるものの。
 
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釉薬をこすり取ったと思われるころ。
薄くなった釉が飴釉のようになって、岩肌のようになっている。
 
ちょっと見にくいけど、これは、はさみのあと。
内がまから引き出すとき、やっとこ、というか、はさみというか、そういうのでつかみ出すのだが、そのはさみのあとがぐいっと、力強く。 
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ただ、力強いのは、はさみのあとだけではない。
手取りが、なんとも豪快で力強い。
湯を含んでくると重くなるが、それがただ重いというのではなく、重厚で、豪壮。
こんな手取りの茶碗も初めて。
ゆったり、たっぷり、というのではなく、力強く豪放な手取り。
「輝男」で通した理由、っていうのはこれなのかな、と。
「虚室」という形や「伝統」にはまらずに、「輝男」という個人として表現をしたいと、そういう意思の表れか。
そんな強い意志も、この手取りには感じられる。
 
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三代虚室さんの茶碗は、うちにあるものは、わりとおとなしい。
ただ、そのおとなしい中に、どこかこの豪放さの片鱗を感じるなと、改めて思った。
馴致された、てなづけられた豪放さ、というか。
おとなしくて、聞き分けの良い茶碗。
いや、おとなしいふりをしているだけか・・?^^
 
とにかく、そういうおとなしさ、聞き分けの良さ、はこの茶碗は持ち合わせていない。
かといって、手には馴染む。
馴染んで、豪放、で、力強い。
その調和もここちよい。
 
釉薬が分厚いために、熱の伝わり方も、淡赤や飴釉や伝弘入などと違っていて、今頃もつかえる。
今頃つかえる手取りのいい茶碗が欲しいと思っていたが、いい感じ。
もよん、と温かくなるのではなく、結構、シャープに温まる。
寒いときは「もよん」がいいけど、いまは、このシャープな熱の感じがここちよい。
 
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