2018_06
30
(Sat)22:08

灰陶緑釉彩茶碗  猪飼祐一 作

6/6~6/12の阪急梅田本店の個展に出ていた、猪飼さんの茶碗。
やっと、昨日届き、今日使ってみた。 
 
灰陶緑釉彩茶碗
P6298160.jpg 
 
黄色っぽい灰釉に、五本、ねじったような緑釉がかけてある。
緑釉はとても大胆。
釉もだが、ボディもおもしろい。
 
とりあえず、このあたりを正面に。 
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すくなくとも3、4方向を正面にできそうな茶碗。
くねくねとなっている感じが面白い。
奧さんが言うには、ヘタに轆轤をひいた感じ。
軸が定まらず、くねくね・・・。
織部っぽいひずみとも違っている。
よくもまあこんな造形ができたものだなあ、と感嘆する。
その、軸がぶれたくねくね感を強調するような、あるいは、しっくりくる、ねじれた緑釉。
緑釉も絞りのようになっているところもある。これは偶然ではなく、そのように意図してしている。
口辺やところどころに鉄釉がすこし飛ばしてある。
灰陶緑釉彩というとなんかややこしいけど、簡単に言えば、黄瀬戸茶碗。
こんなねじり模様を入れたら、やすっぽい、おもちゃのような茶碗になってしまいそうだけど、釉薬の品の良さと深み、このくねくねボディがとてもおもしろく、大胆で素晴らしい茶碗にしている。
この緑釉のねじりやボディはポップで今っぽさもある。それでいて、落ち着いていて、品もあり、ひょうげてもいるが、風格さえ感じられる。
 
手触りもとてもいい。
つるつる。なんとなく、べっこう飴のような手触り。
軽く、あたたまりやすい。
土は瀬戸の土。
 
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茶だまりに灰釉のビードロができている。
画像ではなんかみどりっぽく見えるが、茶色。
奧さんの言うとおり、このビードロを緑釉にしなかったところもいい。緑釉をこのまま滴らせて茶だまりにビードロを、というのは凡庸。
茶だまりの削りとビードロがずれているところも面白い。
見込みの削りも、螺旋のようになっている。
見込み全体が茶色っぽい黄色。
緑釉はねじれていない。なかの緑釉もねじれていたら、きっと落ち着かないことだろう。
お茶をはくと、お茶のみどりがとても鮮やかに映える。
P6308229.jpg
が、画像ではあまりぱっとしない。
 
P6298146.jpg  
お茶を点てると、緑釉が滴ってたまったよう。
 
高台と高台周り。
P6308220.jpg
とても面白い高台。
高台脇のビードロはいうまでもないが、畳付にもつるつるのビードロができている。高台と爪のすきまにできたのだ。
高台も中心にはなくて、この画像で言うと、やや左に寄っている。
高台周りは、とくに灰釉に流れがみられて、これも見所になっていて面白い。
黄瀬戸の釉は灰系なのだが、それを感じさせてくれる。
 
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P6308196.jpg
蔦金輪寺と。
 
P6298167.jpg 
 
P6308228.jpg
 
いろいろと見所があるが、とてもすっきりしている。
そこもいい。
見た目も素晴らしく、手取りや触れた感じもよい。 
うちにある猪飼さんの茶碗のなかで、最高の茶碗。
非の打ち所がなく、これ以上いうことがない。
買う方は気楽なものだが、これを作った猪飼さんの技量を思うと、言葉がない。
「すごい」という言葉を僕はほとんど使わないし、使いたいとも思わないが、この茶碗はすなおにすごいな、と感嘆するばかり。
こけおどしがないところもすごい。
哲学的な「知足」とはちがう、造形的な茶碗。
 
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