2018_10
06
(Sat)20:43

不思議な釜鐶

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10/3に届いた庄兵衛の阿弥陀堂釜。
その釜に添えられていた、釜鐶。
 
 
こうしてみると別に何のへんてつもないけど、いざ、箱から釜を出すために鐶をかけようとすると、うまくかからない。
なんと、巻きが逆。
PA069603.jpg 
左、通常の水屋鐶。
  
まさか、こんな釜鐶があるなんて。
思ってもいないので、購入するとき、釜鐶の巻きまで、いちいち確認していない。
誰だって、そうじゃないかな・・・。

さて、通常の鐶は右利き用で、左利き用?(奧さんの説)
ネットで調べてみると、「左鐶」というらしい。
まあ、そのまんまの名前だが。
 
なにに使うのか?
ふたつほど見つかった。
ひとつは、台子点前に使う、とか。
もうひとつは、逆勝手で使う、とか。
そして、別の視点から、古風、だとか。
 
なるほど・・・。
 
奧さんが探し出した、昭和18年頃の茶人の備忘録には、「台子点前に使う」のほうが載っていた。
 
で、ネットで、台子の手絵の画像を見ていった。
台子の炭点前で、炭斗に鐶をセットするので、見つかるかな、と。
けど、見てみ見ても、「右鐶」ばかり。
裏千家の教本の台子の炭点前の画像もヒットしていて、それを見ても、やはり「右鐶」。
 
念のため、うちの「茶器とその扱い 佐々木三昧著 初版昭和29年」の本を見てみると、「左鐶」自体が載っていない。
 
忘れ去られた、茶道具、ってわけか。
昭和18年のころにはまだ認識されていてが、約10年後の29年では、忘れ去られてしまった・・・。
(この「茶器とその扱い」という本は、茶道具を網羅しているなかなかの本。裏千家の、淡交社が出しているわけだし。
「古風」というのはそういう意味にもとれる。
 
まあ、使ってみると、とても使いづらい。
なんせ、掛けるのと外すのを逆にしないといけないから。 
掛けるのはまだ注意してやればまあまあスムースにいく。が、外す方が、ついつい普通の釜鐶を外す方向に回してしまって、外れなくなる(笑
 
風合いは、釜によくあっている。
オリジナルの釜鐶なのだろうか。
つまり、庄兵衛がこの釜に添えた。
となると、台子用の釜として作られた釜、ということかもしれない。
あるいは、途中の持ち主が、似た風合いのこの鐶を添えたか。
釜も、台子という特別な点前にふさわしいような風格があるような。
 
ま、そのほかにもいろいろ考えられるけど、真相は、謎。
ただ、チョーレアモノ、っぽい(笑
 
さっき台子の炭点前で見つからなかったので、ヤフオクでも見てみた。
が、吊り釜用の鎖と一緒に真鍮の鐶で左のがあった以外は、普通のこの釜鐶タイプのものでは、みつからなかった(その真鍮の左鐶も不思議だが)。
まして、下間庄兵衛作となれば、相当レア(っぽそう)。
ただ、だからといって、なにか? って感じは感じだけど。
単に、巻きが逆なだけじゃない、って言えばそれだけだし・・・。
ありそうで、ないもの、みたいな。。。

けど、以前はこんな道具があった、という、忘れられた茶道具、といえばそういうもの。
資料としては、それなり、なんじゃないかな・・・。
 
お茶を習っている人でも、「左鐶」というのを聞いたことはあっても、実物を見たことある人はそうそういないんじゃないかなぁ。。。^^
それを持っている・・・といったところで、だからなんなんだ、という、それだけの話しだけど。
なんせ、通常の釜鐶の逆方向に巻いているだけの代物だから・・・。
 
マニアな世界・・・(笑
 
まあ、でも、この釜の持ち主が何人いたのか知らないけど、その中の誰かは「台子点前用」の特別な釜としていたともいえるので、そんな特別な釜としてつかつていくのもいいかも。
 
PA069599.jpg
 

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